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8.分かち書き(わかちがき) 「わたしはいしゃへいく」 電報のような仮名ばかりのこんなメモをもらいました。これをどう読みますか? 私は医者へ行く 私歯医者へ行く これでは、読む人によって内容が違ってきます。 点字は電報のように仮名文字体系ですから、内容を誤読しないように語と語の区切りを明らかにする必要があります。そうしないと、言葉がつながって読みにくいうえに、意味がわかりにくくなるからです。これを「分かち書き」といいます。 日本語の文の単位は、自立語または自立語に助詞や助動詞を添えたものからなっています。点字はこの文節と呼ばれている「文の単位」によって分かち書きを行います。 便宜的には、助詞の「ね」や「さ」を挿入して意味が変らない場所が「文の単位」の区切りと考えることができます。自立語の中の長い複合語や固有名詞は、「意味のまとまり」と「拍数」を判断の基準として分かち書きを行います。 漢字は3文字くらいまでは続けて書き、4文字以上続くときは、切りがいい所で区切るのを目安にすればいいでしょう。ただし「株式会社」のように「がいしゃ」と濁るときは続けて書きます。 ★ 「する、して」の扱い 「する、して」の前に「を」を入れられるときは空け、入れられないときは続けます。 例えば、「恋する」「勉強する」は空けますが、「愛をする」とは言わないので「愛する」は続けることになります。 原則として、「じしん・はじ・ずつー・ちず・じゃぐち・せかいじゅー・ねんじゅー・すこしずつ・きずな、うなずく」のように、書くものが多いのですが、ち・つ・ちゃ・ちゅ・ちょで始まる語が前の語と結びついて濁る場合は、「そこぢから・りろんづける・ちからづよい・みかづき・ゆのみぢゃわん」のように書きます。 また、ち・つが繰り返されて濁る場合も、「ちぢむ・つづく・つづみ・つづら、つづる」のように書きます。 ★ 「こそあど」言葉の後は空けます 「ああ して、こー して、そー して」など、「こそあど」言葉の後の「して、する」は空けます。 ★ 「前」の切れ続き 「三年 前」のように、時間が関係するときは空けて書きます。 「名古屋駅前」のように、場所を表すときは、前の語に続けて書きます。 「紀元前」のように、「ぜん」と発音するときは前に続けます。 ★ 「なくなる」の表記 「亡くなる」は「なくなる」と続けて書きます。 「食欲が なくなる」「元気が なくなる」「帽子が なくなる」のように「消滅する」という意味を持つときは続けて書きます。 その他は「なく なる」と空けて書くと考えていいと思います。 ★ 括弧類の扱い ( )の中が前の語を説明しているときは前に続けて書き、後の語を修飾しているときは前後を空けて書きます。 ) 」 などの後に助詞がくるときは続けて書きますが、1文字だけのために行替えしないといけないような場合は、助詞だけを次の行に移しても差し支えありません。
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