点字教室

1.はじめに

日本語を表すのに使用する文字には、「漢字」「ひらがな」「カタカナ」「ローマ字」「数字」などがあります。そして、もうひとつ忘れてならないのが、視覚障害者が使用する触読文字の「点字」です。

私たちが目にする新聞や雑誌など、印刷物の文字は「点字」に対して「墨字(すみじ)」といいます。墨字は目で読むには優れたものですが、目の不自由な方が指先の感触だけで読んだり、書き表したりするのは不可能です。これに対して点字は、指先で読んだり、点字器や点字タイプライターなどで書き表したりする事に優れています。点字はたった6個の点の組み合わせで世界のさまざまな言語、数学・音楽・英語・理科記号、そして漢字も表すことができます。

では、点字はどのようにして考え出されたのでしょう。

2.点字のはじまり

盲人用の文字として使われている点字は、もともとフランスの砲兵大尉シャルル・バルビエ(1767〜1841)が、夜間でも触覚だけで読める暗号用文字として考案したと言われています。

バルビエは、これを盲人用の文字として利用できないかと、当時のパリ訓盲院で生徒たちに触読させてみました。それは現在のように6点ではなく12点でした。

これに興味を示したのが、後にパリ訓盲院の教師となったルイ・ブライユ(1809〜1852)です。彼は12点では指先で読みとるには点の数が多すぎると思いました。そして、6点で63通りの組み合わせができることを確認し、アルファベットを表すには6点で充分であると考えたのです。

こうして6点式点字は考案され、1854年フランスで採用されたのを皮切りに、現在では世界中で使われるようになりました。

3.日本の点字

点字が無かった時代、視覚障害者が自由に読み書きできる文字はありませんでした。木片に文字を浮き彫りにして用いたり、紐の結び目を使ったりしましたが、これらは読み書きにはとても不便なものでした。

ブライユの点字が日本で使われるようになったのは、1887年(明治20年)のことですが、それはアルファベットをそのまま用いたローマ字方式でした。

やがて、日本語にあった点字を作ろうという声が高まり、様々な人が検討や工夫を重ねいくつもの案が出されました。そして、1890年(明治23)11月の第4回選定会で石川倉次(1857〜1944)の出した案が採用されました。


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